近代日本動画資料室 
明治〜昭和初期の貴重な動画を集めています。(『考察NIPPON』の別館です)
「なんだ空襲」
戦時中の戦意高揚(?)映画。空襲など怖れるほどのことはない、との宣伝だったのでしょうか。
昭和16年の曲のようですので、日本国民のほとんどは、空襲がどんなものか想像がつかなかったと思われます。
作詞は大木惇夫・作曲は、あの山田耕筰 だそうです。
下記は日米開戦後の1942年、ラジオで活躍していた友松圓諦の主張です。
みなが生還を期しない、必ず死ぬのだという気持ちになれば、空襲は少しも恐れるに足りない。三度、五度、決まったように空襲でもあれば、「きょうも来そうですね。早く来てくれないと、なんだか気になって、三越へ買い物に行けませんわ」というようになってきます。
また、「きょうの飛行機のケチなこと。先だっての方が、よほど景気が良かった」というような時が必ず来ます。空襲も二度三度となるとだんだん手がわかってくる。人間はそれでだんだん大きくなり、肝ができる。
(略)
日本文化の建設のために、空襲の五回や十回、この世の土産に経験をして驚くのも良いじゃないかと思う。
(「ラジオの戦争責任」p.110)
日本を無差別爆撃するディズニー映画(1943)
この映画が作られたいきさつを、参考までに「空の戦争史」という本から引用しておきます。
1942年には、一時ミッチェルの部下を務めたことがあり、当時は飛行機製造会社の社長となっていたアレグザンダー・デ・セヴァースキーという、もともとはロシアから移民してきた人物が、生前ミッチェルが色々な雑誌や新聞で発表した評論を集め、『航空戦力での勝利(Victory Through Air Power)』という表題の一冊の本にして売り出し、これがベストセラーとなった。
この中にはもちろんミッチェルが日本との戦争を想定して書いたものが多く含まれており、この戦争の最終目標は「日本を占領することではなく、消滅させること」であり、そのためには、敵がアメリカの都市を空爆する前に、我々が日本の都市を徹底的に空爆すべきであるという彼の強硬なメッセージが採録されていた。
興味深いことには、こと日本との戦争を想定した場合には、ミッチェルの理論に萌芽的にではあるが含まれていた「精密爆撃」の要素はすっかり消え失せ、「徹底的な破壊」のみが唱えられている。
つまり、ここに彼の日本人に対する強い人種差別意識が反映されていることが見て取れるのである。
この本を目にしたウォルト・ディズニーがその内容にいたく感心し、本と同じ題名で、日本空爆のアニメーション映画を1943年に製作してアメリカ全土で上映した。
その映画のクライマックスは、無数の巨大な米軍の爆撃機が日本上空に現れるや、突然、それらは鷲に変身し、鮹という奇妙な生き物に変身した日本を鋭い爪で裂き殺すシーンとなっており、「美しきアメリカ」、「航空戦力での勝利」という字幕で映画が終わる。
したがってアニメとはいえ、焼夷弾で苦痛にもがきながら焼殺されていく日本人のイメージ、つまりその二年足らずの後に日本全国で現実に起きる悲劇を生々しく伝えるような描写はまったく含まれていなかった。
「空の戦争史」P.117〜
ディズニーの戦意高揚映画は他にもドナルドダックがヒトラーを揶揄するものなどがあります。
■参考書籍
| 空の戦争史 (講談社現代新書 1945) | |
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